先日、カウンセリングのクライアントさんの悩みの中で、
『人とのコミュニケーションが苦手で、
特に初対面の相手に不快な印象を持たれてしまったんじゃぁないか?・・・
といつも不安になってしまう・・・・・』
という話がありました。
普段のカウンセリングのセッションでは、私個人の意見やアドバイスは極力避けて
クライアントに関心を持って、肯定的に受容してクライアントの思いを信じることに
集中、尽力をつくす・・・のが私の流儀ですが
その折は、一般的に用いられている
”お役立ちヒント”
としてお話させていただきました。
今回、クライアントさんからのリクエストもありまして
ここでもご紹介させていただきますね。
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たしかに、初対面の相手やあまり親しくない人と話すときに
話題が思いつかずに困ってしまうことがありますよね。
そんなときは、会話を盛り上げる
”お役立ちヒント”
「たちつてとなかにはいれ」
を知っておけば便利ですよ・・・・・というお話です。
相手の話を上手に引き出して、会話を弾ませるためのポイントして解説しますね。
基本となる3つのポイント
相手の話を引き出して会話を続けるための3つのポイントです。
これらのポイントを意識するだけでも、いつもの会話が少し違ったものになるかもしれませんし
初対面の相手にも声をかけやすくなりますんで、ぜひ実践、活用してくださいね。
※ 相手に興味を持って話をしよう
話をするうえで大前提として
「相手を知りたい」という気持ちがあれば、自然と会話は盛り上がるものです。
「○○さんって、いつもオシャレですよね。何かこだわりやイメージがあるの?」
「△△さんのネイル、かわいい!どこのサロンに行っているの?」
「□□さんは接客も電話応対が上手ですよね。どうすればあんな風になれるの?」
など、日頃から相手をよく観察しておけば、
いざというときの会話のきっかけも見つけやすいですよ。
※ 自分の話から始めよう
初対面の相手や、あまり親しくない相手との会話では、
相手の事を知ろうとするばかりに質問攻めになってしまいがちですよね。
自然な会話の流れで、相手が自分の話をしやすい雰囲気を作るには、
先に自分の話をしてから相手に質問をするのがポイントですよ。
「私は△△なのですが、〇〇さんはいかがですか?」 と切り出してみると、
案外相手も話してくれますよ。
※ オープンな質問とクローズな質問を使い分けよう
質問の仕方には、大きく分けて
相手の自由な意見を求める「オープンな質問」と、
Yes or No の回答を求める「クローズな質問」
の二種類があります。
相手の話を引き出すときにはオープンな質問が適していますが、
場合によっては、なかなか相手が話してくれないこともあります。
そんなときには、初めにクローズ質問をいくつか投げかけて会話のリズムを作ってから
オープン質問で話題を深堀りするなど、状況に応じて工夫するとよいでしょうね。
会話を盛り上げる ”合言葉” は「たちつてとなかにはいれ」
基本ポイントを押さえたところで、いよいよ本題に入りますね。
タイトルにある「たちつてとなかにはいれ」という不思議な言葉は
会話が盛り上がる11個のテーマの頭文字を取った合言葉のことです。
「た」 ⇒ 食べ物
「ち」 ⇒ 地域
「つ」 ⇒ 通勤・通学
「て」 ⇒ 天気
「と」 ⇒ 富(景気)
「な」 ⇒ 名前
「か」 ⇒ 体
「に」 ⇒ ニュース
「は」 ⇒ 流行り
「い」 ⇒ 異性
「れ」 ⇒ レジャー
この中から相手が話しやすそうなテーマを選んで、相手の反応を見ながら話してみましょう。
「た」 ⇒ 食べ物
食べ物の話は、誰とでも話しやすいテーマですし、相手の好みや趣向を知ることが出来ます。
おすすめのランチスポットや好きな食べ物の会話を進めるうちに
ランチの約束につながるなど、相手との距離が縮まることもありますよ。
<例>
「私はお蕎麦が大好きなんですが、この辺りでおすすめのお店はありますか?」
「みなさん、いつもランチはどうされていますか?」
などです。
ただし、「私はお蕎麦が好きなんですが、あなたは?」
だと、「私はあまり・・・」 で話が終わってしまいますよね・・・・・
ここは、「Yes or No」で返答がないような・・・・・
「おすすめのお店はありますか?」 など
相手が自分のことをより話せるような質問を付け加えると良いですよ・・・・・
※ 他の合言葉も一緒です。
「ち」 ⇒ 地域・出身地など
おおざっぱに地方や都道府県くらいの感で話すのがおすすめです。
ご当地のネタや時事ネタなどを織り交ぜるのも会話が盛り上がります。
<例>
「〇〇さんは名古屋のご出身なんですね。最近できたジブリパークって、もう行かれました?」
「北海道に出張、おつかれさまでした。あちらの気候はいかがでしたか?」
「つ」 ⇒ 通勤・通学・交通手段
職場の人となら、通勤時間や通勤手段など、通勤に関する話もしやすいですね。
<例>
「〇〇さんは、いつも何時ごろに帰宅されるのですか?」
「私はこの辺りに詳しくないんですが、ここから最寄駅までの近道はありますか?」
「て」 ⇒ 天気・温度・湿度
天気の話に加えて週末の予定を聞くなど、ひと工夫があると会話が進みますよ。
<例>
「週末あたり天気もよくお花見も見ごろだそうですが、どこかおススメってありますか?」
「週末はあいにくの雨模様みたいですね。雨でも楽しめるスポットってご存知ないですか?」
など・・・・・
「と」 ⇒ 富・経済の話・景気の話
景気の良し悪しや物価、税金など、お金や経済にまつわるテーマです。
電気料金の高騰や消費税などの身近な話題は盛り上がるかもしれません。
<例>
「この夏のウチの電気料金って、去年よりバカ高かったんだけど・・・どうだった?」
「収入は変わらないのに物価が上がると大打撃ですよね。何か対策ってありますか?」
「な」 ⇒ 名前
珍しい苗字の人には、ぜひ出身地や由来を尋ねてみましょう。
<例>
「とっても珍しい苗字ですね。どちらのご出身ですか?」
「●●さんの、ニックネーム(SNSのアカウント)は何ですか? ちなみに私は〇〇です。」
「か」 ⇒ 体・ダイエット・健康法など
女性同士なら、ヘアスタイルやメイクなどの話や美容法・ダイエットは鉄板ネタですよね。
他にも肩こりや腰痛の解消法やスポーツなど、たくさんの話題がありそうですね。
<例>
「●●さんって、姿勢がキレイだしスタイルもシュッとしてるけど、
何かスポーツとかされていますか?」
「私、〇〇ダイエットに挑戦したんだけど、3日坊主で終わちゃって…。
何かいいダイエット法を知りません?」
「に」 ⇒ ニュース
話題のニュースも定番ネタです。
時事・芸能・経済などから、相手が興味あるというより
まずは、知っていそうなニュースを振ってみましょう。
<例>
「羽生結弦選手の電撃入籍のニュース、見ましたか?突然だったので、びっくりしました!」
「昨日の〇〇の試合、すごかったですね!この調子だと、今シーズンは優勝できますかね?」
「は」 ⇒ 流行り
テレビ番組やインターネット動画、話題のグルメやファッションなど、
旬の情報も盛り上がります。
<例>
「ここからすぐ近くのカフェってすごく人気あるみたいだけど、〇〇さんは、もう行きました?」
「最近●●という動画をつい見てしまうんだけど。何かおすすめの動画はありますか?」
「い」 ⇒ 異性、好きなタレントなど
案外と異性に関する話題はデリケートなものです。
あくまで好きなタレントなどのソフトな話題にとどめておくのがベストです。
<例>
「最近はタレントの〇〇さんがタイプなんです!●●さんは、好きな有名人はいますか?」
「●●さんは、〇〇ファンだそうですね。推しメンバーって誰ですか?」
「れ」 ⇒ レジャー・旅行
「食べ物」と同様に「レジャー」の話題は相手の好みや趣味を知ることが出来ます。
休日に行った場所や、大型連休の予定などは、趣味の話に発展して盛り上がることもあります。
<例>
「来月友達と金沢に遊びに行くんですけど、〇〇さんの地元だと伺ったんで、
おすすめスポットはありませんか?」
「〇〇さんは海外旅行が趣味なんですね。これまで行ったところで、どこが一番よかったですか?」
・・・・・など。
気をつけたい話題について
初対面の相手や、あまり親しくない相手との会話では控えたほうがよい話題もあります。
心に留めておきましょうね。
※ プライベートに踏み込んだ話題
詳しい居住地の話や結婚の有無、恋人などのプライベートな話題は注意が必要です。
相手から話してこない限りは親しくなってから話題にするほうがベターです。
※ 相手の容姿にかかわる話題
男性が女性に対して「スタイルがいいですね!」など、容姿に言及するのもNGです。
場合によってはセクハラと受け取られる可能性もあります。
たとえ相手をほめようとして言ったことでも、相手が必ずしも好意的に受け取るとは限りません。
要注意ですね。
初対面の人とも会話を楽しむことができるというのは、
良好な人間関係を築くのに役立つコミュニケーションスキルの一つです。
今回ご紹介したポイントや「たちつてとなかにはいれ」をヒントに
会話スキルを磨いていても、どうしても会話が続かない場合もあります。
長年、接客業に携わってきた私でさえ
たまに遭遇することがあります。
そんな時には “沈黙も楽しい!” という境地ですかねぇ・・・・・
そんな気楽な気持ちで臨んでみましょう。
ずいぶんと長いトピックになりましたが
ここまで、ありがとうございました。
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