最近、お話を伺ったクライアントが重なって
親や配偶者の認知症でのストレスについて伺うことがありました。
興味深いことに偶然にも4者みなさん共々共通するのが、
元小学校教師、元中学校教師、元高校教師といった ”元教員職” だったことです。
あまりの共通点に、介護施設を運営している知り合いにたずねたところ・・・
「そうそう、意外と多いのよねぇ・・・」とのはなしでした。
・・・かといって鵜呑みにも出来ず、ちょっと調べてみました。
たしかに元教員に認知症が多いという話は、
教育職に特有の生活習慣やストレスのレベル
あるいは社会的な要因に関連している可能性があるようですが
具体的なデータや根拠については確認する必要がありますよね。
まず、認知症のリスクに関連する一般的な要因には、
- 年齢: 認知症は加齢と共にリスクが高まります。
- 教育: 高い教育レベルは認知症のリスクを減少させるとされています。
- 職業的ストレス: 長期的な高ストレスの職業はリスク要因となりえます。
- 社会的活動: 社会的なつながりや活動が豊富な人はリスクが低いとされています。
のようなものがあるそうです。
これに関連して、教員という職業は高ストレスである一方、一般的には教育レベルが高く
また社会的なつながりも強いことが多いと思われます。
これらの要素がどのように認知症リスクに影響するかについては、より詳細な研究が必要ですよね
そこで具体的なデータや研究結果について調べてみました・・・・・
やはり元教員に認知症が多いという話は、データや研究に基づいているわけではないようです。
むしろ、研究によると教員のように知的に刺激的な職業は
認知症リスクを低減する可能性があるとされているようです。
特に、教員は生徒や保護者との交流が多く、情報を説明・分析する必要があるため
認知機能を保つ上で有利であるとされています。
研究によると、
知的に挑戦的な職業に就いている人々は、認知症リスクが低いことが示されています。
したがって、教員が他の職業よりも認知症のリスクが高いという証拠はなく
むしろその逆の可能性が示唆されています。
認知症リスクを低減するためには、知的活動を続けることが重要であり
教員という職業はその点で有利であると考えられます。
結果、私の個人的な印象としては
先に上げた「認知症のリスクに関連する一般的な要因」のうち、
年齢は加齢と共に認知症のリスクが高まるのは当然として
職業的ストレスという長期的な高ストレスから解放されることで
日常生活での緊張感が緩んでしまったり
社会的活動といった社会的なつながりで、それまでは毎日多くの人と接していた環境や
一般より多いと思われる豊富な活動から一変したことでリスクが高まるのかもしれませんね。
教員職に限らず、管理職といった ”ストレスの多い立場” ”人との交流が多い人” は
リタイヤ後の環境の変化に要注意ということでしょうか・・・・・
出来るものなら今からリタイヤ後の環境の準備や整備をしておきたいものです。
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